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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-180


「・・っ、・・・。」

(紫苑は泣いていた。)

「やだ・・、わたしも泣けてきちゃった・・;;

紫苑・・///」

「泣かないで・・、ごめん紫苑。

わたしが強引にいったからだね。 うわ〜んっ///;;」

(佐織は、静かに涙する紫苑を、両腕で抱きしめた。)

「・・紫苑。」

(チイもそっと。 紫苑に寄り添った。)

「・・っ、・・・っ。」

(紫苑は、二人の腕の中で。 涙した。)

サクッ サクッ・・

(キャンプの灯りから遠ざかると。 静かな、夏の夜に包まれた。)

(踏みしめる足元に、香る草の香り。 遠くに、温かなキャンプの灯りを感じ。)

(頭上に果てしなく続く夜空に。 夏の熱を残す風。)

「最低だ。

どんな想いで、用意してくれていただろう。

本当は、涙が出るほど。」



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