HOMENovel
Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter100 『涙』 100-182
「ごめんなさい、大丈夫。」
「ちょっと、待っててね。」
(紫苑は気丈に顔を上げ。 涙を拭こうと。手洗い場へ向かった。)
(二人は、それぞれ、皆から離れ。)
(少しの間、自分の心と向き合った。)
ジャーッ キュッキュッ・・
「・・・。」
「ピヨピヨッ ピヨピヨッ」
(その時、紫苑ははっとした。 胸元につけていた、小さな、
赤い羽根のピンバッジに、呼び出し音が響いた。)
「! 青葉ちゃん。」
ピッ カチャンッ
「もしもし。 紫苑です。」
[「こんばんは。 紫苑ちゃん。」]
[「ごめんね。 こんな真夜中に電話して・・。」]
(紫苑は、青葉の優しい声に、胸が熱くなった。)
[「夏樹くん。 何て?」]
「・・・っ。 ううん。」
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