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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-183


(こらえた涙は、また、せきを切ってあふれ出した。)

「・・うまく、言えなくて・・。」

「・・っ、ひっく・・。 嫌われちゃったら、どうしよう・・・。」

(紫苑の様子から、青葉は。 紫苑が、夏樹に想いを伝えたのだと知った。)

[「紫苑ちゃん・・。」]

(青葉は、愛しさが込み上げ。 夏樹への想いと重なり。 胸が苦しくなった。)

***

サクッ サクッ

(足音に、夏樹は振り向いた。)

「ソラ・・。」

(追いかけて来てくれたことが嬉しかった。 けれど、
動揺を隠せなかった。)

(紺色の瞳が、うつむき。 揺れる様子に、
ソラは、微笑み。 ため息をついた。)

「夏樹。」

「届かないから、叶えたいって思うんだよな・・。」

「遠いから、夢見たいんだ・・。

良いじゃねーか。 夢見たって。

夢見なきゃ、何も始まらねー。」



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