HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-187


(ソラは、ため息交じりに。 片手で分かったと合図した。)

「・・ふぅ。」

「はぁ。 なんでそう。 素直じゃねーんだよ。」

「お前は、夏樹・・。」

(ソラは、ポケットに両手を入れ。 肩を落とし、キャンプ場へ足を向けた。)

***

[「伝えられたんだね・・。」]

(電話の向こうで、青葉の声が震えたことに、紫苑は気付かなかった。)

『今日と同じ、明日が待っていると限らないから。

明日は、来ないかもしれないから。』

[「伝えないでいるより、良いよ。 紫苑ちゃん。」]

[「じゃないと、後悔するから。」]

『二度と、会えなくなるかもしれないから。』

[「嫌われたって良い。

想いを伝えた。 紫苑ちゃんは、素敵だよ。」]

[「勇気を出したんだね。」]

[「がんばったね。

好きな気持ちは、外へ出してあげなくちゃ。」]



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ