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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-188


『好きになれるのは、幸せなこと。』

[「届かなくたって。

裏切られたって。

そんなことは、良いの。」]

[「伝えられたんだね。 良かったね。

ずっと、応援しているからね。」]

(青葉の言葉を、紫苑は、静かに。 頷きながら聞いていた。)

「うん・・。」

「うん・・。」

「ありがとう・・。 青葉ちゃん・・・。」

(紫苑が、頬に流れる涙を拭ったときだった。)

「紫苑さん。」

(遠くから、紫苑を呼ぶ声がする。)

「あっ・・!/// 夏樹くん・・っ。」

(紫苑は、驚き振り向き。 瞳を開いた。)

(途端に、大きな茶色の瞳から。 涙の滴がまつ毛に弾けた。)

「・・!」

(紫苑は、夏樹に微笑んだが。 涙のあとを消せなかった。
夏樹は、紫苑の涙に気付き。 胸が痛んだ。)



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