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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-189


「ソラに、ここだって聞いたから。」

(青葉の持つ通信機に。 夏樹の声が聞こえた。)

[「じゃあ、切るね。

ばいばい。」]

(青葉は、慌てて、ひよこの通信機を切った。)

***

ピッ カチャンッ

(青葉は、紫苑の返事を聞く前に。 電話を切り。
通信機の向こうで聞こえた声に。 ひよこの通信機を握る
指先が震えた。)

「・・はぁっ。 ・・はぁっ・・。」

『大好きな気持ち・・。

痛いほどわかる。』

『だって・・、わたしも。

大好きだから・・。』

(青葉は、ひよこの通信機を抱きしめ。 泣いていた。)

「うっ・・。 ひっく・・。」

『押し殺して、死んでしまう、わたしの気持ち・・。

さようなら。 さようなら。』



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