HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-19


***

ゴボッ・・!

ゴボボッ・・

ザバッ・・!!

(青い水面を抜け。 水しぶきを上げ。 ソラは勢いよく。
身体を起こした。)

(青い視界から一転し、水面から出たソラは、全身に降り注ぐ、暑い太陽に
眩く、水色の瞳を開いた。)

「・・はっ。 はぁ・・っ。 ・・はぁっ。」

『・・あれ・・。 ここ。 エアリエル国の宮殿の中だ。』

『そうか・・。 泳いでいて、いつの間にか。 昔の記憶に、飛んだんだろうか。』

(ソラは、目の前に開いた景色に、驚いた。 真夏の太陽と、
青空。 白い雲は、変わらず、頭上にあったが。)

(地上では見えない天体が、昼の空に浮かび。 何より、
目を開けたソラの目の前に、広がる光景は。 懐かしい、エアリエル国のものだった。)

(ソラは、四角く広い。 プールのような、王宮内の水場にいた。)

(水場の周りには、珍しい木々が生い茂り、整えられた中庭が心地良い。)

チュンチュン・・ キチチチッ

(鮮やかな鳥が舞い、ソラは瞬き、大きく伸びをした。)

「ん・・! ん・・はぁ・・。」



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