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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-198


(隣に現れた光は。 風に揺れる葵の体を支え。
視線の先、小さく灯る明かりたちを見つめた。)

「ううん。 変わろうと、しているのね。」

(葵は微笑み、薄紫色の長いソバージュの髪を、揺らした。)

***

「今日だな。」

「あいにく、俺は仕事だ・・。」

『式神が、時々俺を迎えに来る。』

『そちらの世はどうだ?』

『時宗。』

『この世は、争いばかりだ。』

『だが。 まだしばらく、俺は、本当のお前に会えそうもない。』

(晃は、メンバーの配置を確認し、街全体を、異空間の向こうに把握した。)

***

「物騒な・・気配が〜・・、漂ってるね〜・・。」

「・・すぅ・・、行きますか〜・・。」

(風見市街上空で、白は、眼下のネオンを見下ろした。)

『まだこの世に役目がある。』

(晃は、テーブルの上に出現させた、風見市の模型を前に。



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