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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-200


『・・この席に、

着いてくれる気がしている。』

(戦おうと前を見た瞬間に。 あふれ出す想いに、晃は胸を焦がした。)

ゴォォォォッ バッ・・!!

(最後に、空間通路を抜け。 晃は、風見市の風を胸に吸い込んだ。)

「すぅ・・。 良い、夜風だ。」

(晃は微笑み、肌に。 夏樹の気配を捉えた。)

[「・・大将〜・・。」]

「ん、どうした?」

[「・・命を〜・・。 狙われてるんだから〜・・、気を付けてね〜・・。」]

[「・・大将のことは〜・・。 僕が〜・・、守ってあげるけど〜・・。 ぐぅ・・。」]

(気の抜けた白の声に、晃は笑った。)

「はっはっ。 助かる。」

[「・・艶ちゃんに〜・・。 約束〜・・、したからね〜・・。 ぐぅ・・。」]

(晃は微笑み、黒い瞳に力を宿した。)

「ああ。」

***

(狐次郎は、上空に現れた、FOTメンバーの気配に。
苦々し気に、煙草の煙をくゆらせた。)



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