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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-25


「くっくっ。 あー、あれだ。 今。 笑ったか?」

『俺は、あの時。 “聖なる樹”が、俺に笑った気がした。』

『・・望まれない、俺など。 王になれない。』

『そう笑ったか。 いや。 俺には、』

『無謀な俺に。 力を貸すと、微笑んだ気がした。』

(ソラは微笑み、花弁の舞う中。 目を細めた。)

「ここに来ると。 力がみなぎる。」

「女王サラが、注ぐ力か。」

「今度は、俺が力になりたい。」

「“光”だろうと、“闇”だろうと。 関係ねー。」

「この国を守る。 奇跡を、俺に起こさせてくれ。」

チリンッ・・ チリリッ・・

(ソラは、聞こえた、物音に。 目を見開いた。)

『【・・あなたが、エアリエル国の王です・・。】』

「はっ!」

(“王家の光の樹”の根元に。 小さな少女が姿を現した。)

(裸足でたたずむ。 少女の小さな白い足。 幻の少女は透き通り。
その開いた両手に。 光る。 小さな指輪をソラに差し出した。)



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