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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-29


「あなたを待っている。」

「元老院へ、あなたの想いを伝えましょう。」

「明日の花祭り。 “聖なる樹”の精霊も、あなたを祝福してくれます。」

(サラはそう言い。 美しく流れる金髪を揺らし、ソラの手を取った。)

(絹の様に柔らかなドレスが、花弁を舞い上がらせ、風になびく。)

(美しい水色の瞳は。 見つめ合い頷いた。 サラと同じく、
“光の樹”から受け継いだものだった。)

「・・、小さな巫女様も待っていますよ。」

「花祭りの明日。 おまじないも。 叶えられると良いですね。」

(サラは微笑み。 その言葉に、ソラの胸の奥は、嬉しさと苦しさで。
痛んだ。)

「・・ミイが。」

(王になりたい気持ちは強かった。 だが同時に。 今までと同じではいられないことも、
予感していた。)

「ソラ、あなたが戴冠式を行うならば。」

「ミイも。 夢を叶え。 大巫女から、この花祭りの舞の大役を引き受けると。」

「練習を積んでいました。」

「きっと、成功するでしょう。」

「“光の王”の誕生を。」



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