HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-30


「エアリエル国のすべての人々のために。」

(サラは、凛とした声を。 祈りの塔に響かせた。)

「“呪い”が起ころうと。 俺は、負けねー。」

「ただ、終わりを待つなんてしたくない。」

「信じて、行動を起こす。」

(ソラは、決意を胸に、頷いた。)

「大広間へ。」

「皆を集めます。」

(澄み切った祈りの塔に。 強い光が差し込んだ。)

ゴーンッ・・ ゴォーンッ・・

ザワザワザワッ・・

(時を告げる鐘が、街へ響いた。 巨大な翼が、宮殿の上空を舞い。
決行の時が遠くないことを、告げていた。)

***

ゴウンッ

(大広間へと続く回廊に、魔法陣が現れた。)

ゴワッ・・ バシュシュッ・・

(魔法障壁をくぐり。 多くの黒い影が、舞い降りる。)

(降り立った巨大な人々は。 普通の人々の倍ほど、大きく見えた。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ