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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-31


(重厚な白い鎧には、戦いの跡が見え。 青いマントに、大きな旗。)

(描き出される王家の紋章は。 エアリエル国騎士団の証だった。)

「ブフッ・・」

ガッ ガッ・・

(鋭いひづめの音を響かせ。 空間の向こうの土を蹴り。 煙を上げ。
白馬が姿を現した。)

(流れるたてがみと荒々しい筋肉。 白馬は、それにまたがる人を支えられるほど
大きく。 凛々しく。 巨大で力強い、翼を持っていた。)

(魔法を受ける、馬のたてがみは、黄金色に輝き。 荒い息づかいに合わせ。
美しく揺れた。)

「カイ! 良く戻りました。」

「大広間へ。」

「明日、ソラの戴冠式を行います・・!」

(カイと呼ばれた大男は、マントをひるがえし、馬から降りた。 女王自ら出迎えた。)

ドウンッ

「女王陛下。 いよいよ決意なされたか!」

「がっがっがっ! 魔女の呪いを起こさせまいと。 国中、“闇”の手がかりを探したが。

我ら騎士団にも見つけられん。」

「やはり、ソラが、探す役目を持って生まれたのであろう。」



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