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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-32


「安心なされよ。 ソラはやり遂げる。 “呪い”など、この騎士団長カイが、

弾き返してくれるわ。」

(豪快なカイの笑い声を聞き。 ソラが駆け寄って来た。)

「カイ! 待ってた。」

「いつも守ってくれてありがとう。」

「明日からは、俺も。 この国を守る一人になりたい。」

「戴冠式を受けられるよう。 元老院と話す。」

(きらきらと輝く水色の瞳に。 カイは笑った。)

「ソラ王子。 立派に成し遂げられよ。」

「後のことは案ずるな。」

「エアリエル国の名のもとに。 誓おう。」

「何が起ころうと、後ろは俺たちが守る。」

「お前は前へ。 行くべき道へ。 進め。」

(カイは言い。 大きな手で、ソラの鮮やかな水色の髪の頭を、乱暴に撫でた。)

「カイ!」

カッ カッ・・

(美しい魔法の杖音を響かせ。 魔導師セナが姿を現した。)

「調子に乗せるな、カイ。 笑い事ではない。」



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