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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-34


(セナは、ソラの想いに気づかず。 感慨深げに、ソラを見た。)

「案ずるな。 お前が魔法を使えないのは。 この国に潜む、

“闇”の力のせいやもしれぬ。 “戴冠式”により、女王サラの力が

お前に引き継がれれば。 私の魔力が、“聖なる光の樹”とお前に注がれ。

お前は、“光の魔術”を使えるようになるだろう。」

「・・お前に、センスが無いことは、否めんがな。」

(それを聞いて、カイは笑った。)

「がっがっがっ! 魔法が使えなければ、剣があるわい!」

「力づくで、守るまでよ! なぁ、ソラ! とっておきの、奥の手があるそうだ!」

「そうだった、なぁ! ソラ王子よ。 がっがっがっ!」

(ソラは慌てて、顔色を変え。 筋肉の分厚い、カイの胸元を殴った。)

「カイっ!/// 内緒だからっ!!///」

「し〜っ!///」

(やけに慌てた様子で、巨大なカイの身体を、セナから後ろへ遠ざけようとするソラに。
セナは、眉毛を釣り上げ。 くだらないことだろうと、冷ややかな視線を送った。)

「・・ふぅ。 事の重大さが、分かっているのか?」

「たとえ、お前がこの国の王に、選ばれなくとも。」

「後悔してはならぬ。」



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