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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-36


『俺がやる他に、方法は無かった。』

(ソラは、過去の記憶に想いを巡らせ。 深く、頷いた。)

「・・ああ!」

ゴォーンッ・・ ゴォーンッ・・

(元老院の集う、石造りの大広間は。 静まり返り。 張り詰めた緊張感に
包まれていた。)

「機は熟した。」

「新しい、“光の王”の誕生を願う。」

(魔導師セナの声が響き。 中央に立つ女王が、美しいドレスをひるがえし。
元老院たちの前に、一歩進み出た。)

「“闇”の中に、強い“光”はあるものです。」

「恐れずに。 ソラを王に迎えます。」

(女王の言葉に、元老院たちは、即座に反対した。)

「ならぬ! この国を亡ぼすつもりかっ!?」

「この者が、王位を継げることはない!」

「騎士団の、探索を続けさせろ。 正統な“闇の王”を探すのだ。」

(カイは前に歩み出ると。 青いマントを靡かせ。 元老院たちが取り囲むテーブルの上を
示した。)

「見てみろ。 国中探した。 他に、死の海。 砂漠の海、

“砂海”しか残されないほどな。」

(カイの指し示す先には。 セナの魔術で映し出された、エアリエル国の模型が
浮かんでいた。)



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