HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-37


「そこは、名の通り。 全ての生き物が生きられん。」

「かつて、“闇の樹の森”だったと聞く。 魔女の魔術に焼かれ、今は砂漠と化した。」

「さて。 残されたのはそこだけだが。」

「“闇の魔術”が強く。 屈強な騎士団であろうと、我ら“光の者”は行けん。」

(カイが、笑った。)

「がっがっがっ!」

「皮肉なことだ。 “魔女の呪い”を恐れ。 “闇の魔術”を封印したことで。」

「この国を守る、切り札となる。 “闇の鍵”を探す術も失ったわい。」

(カイの茶色の瞳が、明るくソラを見た。)

「カイ・・。」

(ソラは、カイに頷き。 意を決して。 皆の前に立った。)

「女王サラ。 魔導師セナ。 元老院たちよ。」

「聞いてくれ。」

「俺に考えがある。」

(水色の瞳は、楽し気に、きらきらと輝いた。)

「あ〜。 あれだ。 俺はもちろん。」

「成功するって、俺が王になれるって、信じてる。」

(ソラの笑顔に。 サラは、セナは。 何を言い出すのかと、目を合わせた。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ