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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-43


(ソラは強く頷き。 皆に、微笑んだ。)

「ただ、何もせず。 失敗させたりしない。」

「選ぶのは、俺たちだけじゃねー。」

「俺は、明日。 国民に問う。」

「皆。」

「信じて、俺について来てくれ。」

バサバサバサッ

(鳥たちが天窓の外を舞い。 追うように、巨大な翼が、大広間の窓に、
影を落とした。 翼に遮られ、輝く太陽の陽射しが。 揺れ動き、
ソラの水色の瞳を照らした。)

「“闇の魔術”の解放か・・。」

(セナは、重い口を開いた。)

「“闇の魔術”は、今やこの国では禁忌とされているが・・。」

「かつて、その力は絶大なものであった・・。」

(セナは、ソラの想いを諭すように、話した。)

「この国が、“闇の魔術”を禁じているのは。 二度と過ちを犯さぬためだ。」

「国民が恐れる、争いの火種を、呼び覚ますことは。 容易くはない。」

「“闇”を、国民は、簡単に受け入れない。」

(何を言おうと、強く輝く。 水色の瞳の意志を、変えることが出来ないことを
セナは知っていた。)



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