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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-45


「それが、お前の言う。 奥の手か?」

(セナは、ソラの楽観主義を思い、呆れた。)

「同情が、通じる相手ではない。」

「それとも、両方の力を受けるつもりか?」

「この世に、そんな人間は、存在しない。」

「どんな有能な魔導師でさえ。 命に宿す力と、相反する力を使うことは出来ない。」

「それが、この国に、交互に流れる力の運命でもある。」

「“光”を継ぐことさえ危ういこの時代に。」

「お前には、“闇”を制することは出来ない。」

(セナの美しいマントが、光を受け、輝いた。)

「(・・、出来る奴を。 俺は一人知ってるけどな。)」

(ソラは心の中で、念じた。)

「・・何だ?」

(眉根を寄せるセナに、ソラは笑った。)

「いや、想いがあれば。 奇跡は起こせるってことだ。」

「セナ。 女王サラ。 俺は、選ばれなくとも。」

「この国を守る。」

「“呪い”に対抗して見せる。」



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