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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter100 『涙』 100-5
ザザーン・・ッ
『「夏樹。 お前は、
生きることを考えろよ。」』
『「皆を助けたいと思うなら。
お前も、幸せになれ。」』
(ソラは、泳ぎながら。 先ほど、夏樹と交わした会話を、思い出した。)
『「・・ソラ。」』
(水色の瞳の向こうで。 夏樹は、紺色の瞳を揺らし。 声に出さず、わずかに頷いた。)
「あいつは、返事をしなかった・・。」
「・・あいつが、考えを変えないなら。」
「俺は、俺の出来ることをする・・。」
ザザザザーンッ
(大きなソラの腕が、波を捉えた。)
『・・なんで、俺の“光の鍵”は、目覚めないんだ。』
(ビー玉のような、水色の瞳は。 閉じ。 波間に浮かび、ソラは、
胸元に手をかざした。)
「俺にもっと、力があれば。 王に相応しい力があれば・・。」
(もどかしい思いに、歯ぎしりした。)
【・・あいつが・・。 生きているからだ・・。】
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