HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-62


『夢や理想は。 いつも遠くにあって。』

『簡単には、叶えられない。』

『だからこそ、俺は。 そんな世界を見たくて。』

『叶えたくて。 もがいていた。』

(ソラは、ミイを見た。)

『こんな時、本当は。 おまじないをかけるべきだろう。』

(ミイの茶色い瞳には。 まだ、涙がにじんでいて。
ソラは、決心するには、覚悟が要るように思った。)

「ミイ。 “闇の鍵”は、魔女がどこかで生き、隠し持っている可能性があるという。」

「本当だろうか? 魔女の反乱の時、リュウジュは、亡くなったと聞いた。」

「あるいは、生きている可能性はないか。」

「もしかしたら、リュウジュ以外に、“鍵”を持つ者が生きているかもしれない。」

(ミイは、大きく瞳を開いた。)

「! そしたら・・、ソラの戴冠式は・・っ!///」

(ミイの唇に、ソラは、指をあてた。)

「・・。」

「王家の“聖なる樹”の下で。 会ったんだよ。」

(ミイは、瞬いた。)

「え?」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ