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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-65


「“闇の魔導師”、ザキは、間違っていない。

異端だと、“闇”に悪を押し付け、排除した。

人々の恐怖心が、真実をゆがめたんだ。」

(ソラは、微笑んでいた。)

「滅びるべきは、人を呪う心だ。

俺は、光の時代に生き。

闇の時代を知らない。」

「俺は、知る必要があるんだ。

闇がどんなものなのか。

どうやって、人々を滅ぼしたのか。」

(何が待っていようとも、明日を迎える決意をした。 ミイに贈った魔石は、
その誓いでもあるようだった。)

「俺は、自分が王に相応しいか。

闇と向き合い。 知りたい。」

(水色の瞳が微笑み、ミイは目を逸らせなかった。)

「ソラ・・。」

「無事でいてね。」

(ソラの告白は。 ミイの望むものではなかった。 けれど、
ミイは送り出すことを決めた。)

『魔石の飾りの意味を、本当は知っていた。 お前に、今夜、言えなかった。』



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