HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-67


「ピュア。 案内してくれ。」

「“闇の魔導師”ザキのところへ。」

(ピュアは、クリーム色にカールする髪を、可愛らしく揺らし、頷いた。)

「はいですっ♪」

***

キイッ・・

ポチャ・・ポチャンッ・・

(老婆は、占い用の水鉢に、聖なる花の花弁を、放った。)

「ふむ・・。」

「よきかな。 よきかな。 明日は、花祭りに相応しい日じゃ。」

(ミイはそっと、部屋に入り。 大巫女の側に、腰を下ろした。)

「ひねくれ者の爺さんは、反対のようじゃのぅ。」

「ほっ、ほっ。」

「若い力に、勝負を賭けてみんか?」

(大巫女は、水鉢から目を逸らすと。 ミイを見て、微笑んだ。)

「ミイか。 ソラに会ったか?」

「よく、お聞き。」

(大巫女は、しわの手で。 ミイの小さな手を握り締めた。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ