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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-70


キラキラキラッ・・!

(ソラは、慎重に鏡に近づき。 鏡の曇りが、煙のように渦を巻き、
ゆっくりと、晴れる様子を。 目を細め、見つめた。)

ゴウッ・・

(曇りの向こうに現れたのは、黒いシルエット。 黒いローブと、
無造作に、長く伸びた、黒い髪に覆われ。 見えたのは、鋭く青い眼光だった。)

『・・はっ・・。』

(ソラは、鋭い覇気に、息を飲んだ。)

「あなたが、ザキか・・?」

(鏡の向こうにあるのは、禍々しいエネルギーだった。 こちらに現れたらと思うと、
ソラは武者震いした。)

ゴウンッ・・

【何者だ・・。】

【我が力を眠りから、呼び覚ますは・・。】

【我と、“契約”を結びたいと言うは、お前か・・?】

(黒いローブの男は、僅かに顔を上げ。 乱れた髪の間から、
ソラを品定めするように、鋭く睨んだ。)

「俺は、エアリエル国王子。

エアリエル・ライト・ソラだ。」

「王位継承に際し、“闇の魔導師”エアリエル・シェイド・ザキに、“魔法契約”を願う。」



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