HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-81


「おはよう。 ソラ。」

(ミイは、開いた明るい茶色の瞳に。 水色の瞳を映し微笑んだ。)

「行くぞ。」

(ミイは頷き。 ソラの手を取り、柔らかな羽毛の、クウの背中に飛び乗った。)

フワッ

(クウの背中は、温かく、くすぐったく。 大きな翼を躍動させ、地面から
飛び立とうとする振動に、ミイはわくわくし、ずり落ちない様、
ソラの背中に掴まった。)

(クウとソラの体温に、ミイの緊張がほぐれた。)

「クゥーッ!!」

バサッ・・!!

「きゃぁっ/// ・・わぁっ!/// 綺麗・・!」

(あっという間に、クウは風を切り、エアリエル国全体が見渡せる。 街の上空に、
舞い上がった。)

ゴウンッ・・

(朝もやを抜けた、空高く。 張り詰めるような朝の空気が。 遮るもののない、
地平線の向こうから、二人に押し寄せた。)

『ソラ・・。』

(全てから切り離される瞬間。 空の上には、二人しか居ない。)

(雲の向こう、地平線から。 エアリエル国に、朝日が昇るのが見えた。)



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