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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-84


(舞い散る紙吹雪、煌めき弾ける光の魔法。 青空と太陽の下。
目を開けていられないほどの輝きが。 人々の頭上から降り注ぎ、
笑顔を眩しく光らせ。 幸せな花の香りに、人々は包まれた。)

(逃すまいと走り、見上げ。 飛び跳ねる子供たち。)

(永久の誓いを交わした恋人たちは、聖なる巫女の舞に、願いを込め、
熱い視線を送った。)

シャララランッ・・

(ミイは、人々が集い始める広場の中央で。 祈る様に美しく、舞を舞った。)

「ミイさま、キレイ・・っ!」

(ほのかに化粧した、ミイのピンク色の頬に、赤く染まる唇。
鮮やかなオレンジ色の髪に。
輝く花飾りが良く似合い。 柔らかに美しい衣装に、軽やかに舞うミイは、
花の精の様で。 伸ばした指先が、散る花弁に触れるのを。 短いオレンジ色の髪に、
微笑む頬に。 大きな茶色の瞳に、花弁が舞うのを。)

(ソラは息を飲み、見守った。)

『花祭りの日。 舞うミイの姿が。』

『残像のように。 俺の心に焼き付いた。』

(人々の熱気が高まる中、中央に設けられた祭壇に、元老院たち、騎士や魔導師。
王室の面々が姿を現し。 中心に女王が、ソラが、美しい階段を上り、
人々の前に、立った。)

「おお! 女王だ! サラ様っ!」

「サラ様〜っ!!」

(人々の歓声に、女王サラは、嬉しそうに微笑んだ。)



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