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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-86


「“呪い”と戦おう。」

(ソラは壇上で、大きく深呼吸し。 太陽の熱を受け、皆の顔を見た。)

「俺が、必ず皆を守る。」

(ソラの姿を見守る、群衆の中から。 小さな少女が。 “聖なる樹”の花を手に、
ソラの前に、進み出た。)

「・・・。」

(ソラははっとし。 少女の目線へ、腰をかがめた。)

「ソラさまっ。 わたしたちの、王さまになって!」

(少女の言葉に、水色の瞳が輝いた。)

(ソラの言葉を聞いていた群衆は、再び歓声を上げ。 皆が拍手し、賛同した。)

「うん!」

(ソラは少女から花を受け取り。 顔を上げた。)

「皆、大聖堂へ!」

「これ以上“聖なる樹”を失わないために。」

「“聖なる樹”の力を、“未来”につなごう。」

(ソラの笑顔に、皆の士気は上がり、老若男女、国中の人々は。 期待に胸を躍らせた。)

「同時に、わたしに残された力を。 すべて、“聖なる樹”に注ぎます。」

(ソラの隣に。 女王が寄り添った。)



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