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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-87


「そうすれば、もしもの時。 今と同じ、あと一年。

この国は、堪えることが出来ます。」

「わたしたちには、まだ希望が残されています。」

「わたしも、守ります。 安心して、挑みなさい。」

(サラの言葉に、ソラは頷いた。)

「ありがとう。」

(光の魔導師、セナは。 国民と、女王、そして王子を。 静かに見守り、
物憂げに、硝子の様に透き通る、透明な瞳を揺らした。)

「セナ・・。」

(セナがまだ反対しているのだと感じ。 ソラは、セナに声をかけた。)

「・・。 新しき王に、祝福を。」

(セナは言葉少なに、会釈し。 大聖堂へ向かった。)

「・・ふぅ。 今日になっても、相変わらず気難しい顔してる。」

(ソラは、苦笑し。 女王サラは微笑んだ。)

「ソラ。 セナは、あなたを信じています。」

「上手く伝えられないだけ。」

「悲しみを、戦いを。

あなたに味わってほしくないと、思っているだけ。」

「“闇”を見たわたしたちは、その苦しみを知っているから。」



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