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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-89


「後悔してはならぬ。」

「“闇”が起ころうとも。 この国を残して行かねばならぬ。」

「振り返らずに、行く。 覚悟をせよ。」

(厳しい表情で、そう告げた後。 セナは、ふと、表情を和らげ。
ソラに微笑んだ。)

「だが、私も女王サラと同じく。」

「国民と同じく。」

「“光の王”の誕生を望んでいる。」

***

「セナ・・。」

(ソラは、決意を見失わぬよう。 右手を強く握り締めた。)

(エアリエル国を守るために。 その手に、掴まねばならぬ力があった。)

***

(セナは、次の言葉を躊躇うように。 一呼吸置き。 告げた。)

「・・・。」

「私と“魔法契約”を結び。 この国を、共に守る日を願う。」

***

「行くぞ。」



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