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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-91


(純白の正装に身を包むソラの肩には。 二つの樹が絡み合い、
伸びてゆく様を描く、王家の紋章が輝いている。)

「エアリエル・ライト・ソラ。」

「ここに、エアリエル国、王位を継承致します。」

「“光の樹”に“聖なる力”を宿し、この国を守りたまえ。」

ゴオォーン・・ ゴオォーン・・

(人々は、固唾をのんで、見守った。)

「・・見て! 綺麗・・。 大聖堂の扉が開くわ!///」

(見守っていた人々は、驚きに声をもらした。 輝く人々の目に。
祭壇の向こう、大聖堂の正面に施された、巨大な扉が開くのが見えた。)

(大聖堂の奥の扉が開くと。 そこは、祈りの塔だった。)

「なんて、キレイなの・・っ!///」

(小さな子供たちが、身を乗り出し、見ようとするのを。 母親たちは、
静かにと、抑えた。)

「わぁっ/// 見て!ママっ。」

「あれが、“祈りの塔”よ。 聖なる場所・・。 王家の方々しか、目に出来ない。」

「こうして見れるのは、戴冠式の時だけ。 よく見ておきなさい。」

「あれが、王家の“聖なる光の樹”。」

「王が生まれる樹よ。 女王サラ様も、ソラ様もそこから生まれた。 あの樹の根っこが、

わたしたちの街の中にある、“聖なる光の樹”の森に続いているの。」



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