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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-94


「ソラ。」

(光の魔導師セナが、ソラに呼びかけ。)

(ソラは目を開けた。)

(水色の瞳が。 煌めき、前を見た。)

「世界の友好と永久の平和を。」

「希望します。」

(ソラの目に、熱いものが込み上げた。)

シン・・ッ

(宣誓が終わり。 場内は、一瞬の静けさに包まれた。)

(果して、ソラが王位を継ぐことが出来たのか、“聖なる光の樹”を司る、
この国の力が、ソラを王と認めたのか。)

(誰もがこの一瞬を、永遠に感じた。)

(静けさに、人々の鼓動が高鳴る。)

トクンッ・・

トクンッ・・

(母親の腕に抱かれ、見守っていた少女が。 祈りの塔、王家の“聖なる光の樹”の根元。
石の床の上に。 黒い染みが、浮かび上がるのを見た。)

「・・ママ・・。」

「あれ、なぁに・・?」



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