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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-95


ポッ・・ ポチャンッ・・

(黒い染みは、一滴。 一滴と増えた。)

「は・・っ。」

(ソラは、顔を上げた。)

「ルリちゃん・・。 下がって・・。」

(母親は、絶望に、肩を震わせ。 少女を抱え、群衆の中に身を引いた。)

「・・・っ。」

(ソラは息を飲んだ。)

「皆。 このまま、大聖堂の中に。」

「セナ。」

(女王サラは、静かに左手を上げ、セナに指示した。)

「はい。」

「《光の力を秘めし鍵》よ・・。」

(魔導師セナは、静かに巨大な魔法の杖を掲げ。 詠唱を始めた。)

「見よ・・っ!!」

「あれが・・っ! あれが・・っ! “闇の魔女”だ・・っ!!」

「リザが、復活した・・っ!!!!」

(元老院たちは、恐怖に打ち震え。 震える手で、指さした。)



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