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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter100 『涙』 100-97


「“呪い”だ・・っ! 女王サラの祝福の言葉に、反対に呪詛をかけるつもりだ!」

「皆・・っ!」

(闇の魔女が、青白い両手を開き。 呪詛を唱え始めた。 ソラは皆に警戒を促し。)

(騎士団は、剣を抜き。 人々は、恐怖に叫んだ。)

「きゃああぁぁぁ〜っ!!」

「わああぁぁぁ〜っ!!」

(大聖堂の壁に身を寄せ合い。 人々は、魔女から漂う、黒い影におびえた。)

(魔女の黒い瞳は、焦点を失い。 引き伸ばし、開かれた両手の、黒い爪が。
虚空から何かを、引き寄せている様だった。 無慈悲に開かれる、
黒い唇が発する言葉が重く。 大聖堂にこだました。)

【滅びることの、無いこの力。】

【果てるまで、滅ぼさん・・。】

(魔導師セナは、魔法を唱えた。)

「・・我に力を。 《解き放て》・・!」

「《光の城壁》・・!」

(ミイは、息を飲んだ。)

「・・っ!!」

【我と共に、この世界に終焉を・・。】

ゴウン・・ッ



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