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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-100


(恐る恐る振り返ると、遠くに、黒いスーツ姿の男たちが、
後をつけて来ていた。)

『!』

(黒い手袋をはめた、男たち。 サングラスをかけ、表情は見えない。)

(千歳と距離が縮まり、男たちの人数が増える。)

(千歳は、恐ろしくなり、家への道筋を変え。
細い路地を走り。 なんとか、男たちをまくと。 カフェのドアを勢いよく閉めた。)

バタンッ!

「はぁ・・っ、はぁ・・っ。」

***

「黒い服の男たちに、追いかけられた!?」

(千歳は、不安げな顔で。 頷いた。 依子の前でうつむく表情は、
大人になっても変わらない。 両頬にかかる髪が揺れ。 可愛らしいお団子頭が似合う。)

(茶色の瞳が瞬いた。)

「うん。」

(依子は、考えを巡らせ。 腕を組んだ。)

「おかしいね。 うちの連中の目には、留まってない。」

「うちは便利屋。 探偵業に復讐屋、裏家業にも通じてる。」

「奴らの類じゃないってことか。」



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