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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-99


『きっと、彼のことだ。』

「彼と居ると、幸せ。」

「何かに包まれているのを感じるの。」

「不思議な力よ。」

(千歳は、瑠衣といるときのことを、思い描いた。)

(外に出て、自然に包まれる中、絵を描いている時。
木々が、風が、話しかけるような気がした。)

(木陰の下で、キャンバスに見入る千歳を、
瑠衣が背中から抱きしめた。)

(戸惑いを感じる千歳を、瑠衣は、無邪気な笑顔で。
温かく抱いた。)

「誰かが、彼を。 迎えに来るんじゃないかって、

気がするの。」

「それが、怖くて・・。」

(不安は、間近に、襲い掛かった。)

『いつもの、買い物帰りの、夕暮れだった・・。』

(一人、買い物袋をさげてスーパーからの帰り道。
千歳は、近づいてくる足音を聞いた。)

「・・?」

「・・誰・・?」



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