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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-101


「瑠衣は?」

(千歳は、頷いた。)

「買い出しに行ってもらっていたから。」

「・・、瑠衣を探していたんじゃないかしら?」

(依子は眉根を寄せた。)

「お屋敷から、あんたを連れ戻しに来た連中ってことは?」

(ふるふると、首を振った。)

「・・そんなはずない。」

「わたしに、戻るところはないもの。」

(依子は決めた。)

「千歳、落ち着くまで。 瑠衣と二人で、あたしのところへ来なよ。」

「変な連中も多いけど、ここよりは。 安心よ。」

(千歳は躊躇った。)

「・・、カフェを離れたくないわ。」

(依子は、ため息をついた。)

「誠司さんには?」

(千歳は、微笑んだ。)

「桜に心配かけたくないもの。 今、大事な時期だから。」



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