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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-104
「“彼ら”の存在は、幻のようなもの。」
「僕の様な、一般人が、コンタクト出来るものか。」
「試してみます。」
「足がつかぬよう、あるいは、僕が失敗したときのために。」
「僕と距離を置くように。」
「依子さんの家の方々に。 ・・、“表”から見えない場所に。」
「千歳さんと、瑠衣さんを。」
「かくまって下さい。」
ピッ
(誠司は、携帯を切ると。 自分に向かい、手を振る男に、
会釈し、ベンチから立ち上がった。)
「・・、来てくれたんですね。」
(男は、煙草を片手に、むさ苦しい無精ひげを掻き。 ニヤリと笑った。)
「俺とお前の仲だろ。 春ちゃん。」
(学生時代からの悪友は、記者の仕事に就き、情報に通じていた。)
「そう呼ばれたのは、久しぶりだよ。」
(黒く汚れた手で、男は。 誠司の手の中に、一片の紙を押し込んだ。)
「お目当てのものは、これだ。」
「どうも、俺みてーな汚ぇ男は。 会えない連中のようだな。」
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