HOMENovel

Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-108


「・・何?」

「・・、依子? 皆・・、どこへ?」

『さっきまで、すぐそこに居たのに!』

(千歳も、気づき。 顔を上げ、あたりを見回した。)

(一瞬で、あたりは不穏な気配に包まれていた。 瑠衣と、千歳は、
周囲から切り離され。 すぐ傍に迎えに来ていた、依子の姿も。)

(守ってくれていた、依子の仲間たちの姿も。 見えなくなった。)

「・・瑠衣。」

(千歳は、恐ろしくなり、瑠衣の方へ、走り出そうとした。)

(途端。)

「・・っ、きゃぁっ!!」

(黒服の男達が、千歳の傍に現れ。 千歳に襲い掛かった。)

(瑠衣の方を見ていて、自分が取り囲まれていることに、気づけなかった。)

「いや!」

(千歳は、男達の腕を振り払おうと、もがいた。)

【千歳・・!!】

(瑠衣の顔に、怒りが燃え。 火花を散らした一瞬。
深い紺色に、煌めく魔法陣が、瑠衣を包み込み、湧き起こった。)

【《闇の力を秘めし鍵》】



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ