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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-110


***

ドン・・・!!

(それは、一瞬の出来事。)

(車が、二人に衝突した瞬間。 現実の音が、
その場に、戻って来た。)

「・・!」

「! 瑠衣! 千歳・・っ!!」

(依子は、仲間達と、二人を迎えに来ていた。
瞬きするほど一瞬の内に、何が起こったのか。 依子には分からなかった。)

「瑠衣! 千歳〜っ!!」

「誰だ・・っ! 今、黒い車がっ!」

「誰が、居やがった・・っ! 逃げてんじゃねーよ!」

(依子は、通りに向かい、叫んだが。 瞬く一瞬の内に、男達の姿も、
黒い車も、消えていた。 二人が依子たちから切り離された時間に、
何が起こったのか、依子には、見えなかった。)

「お嬢! 救急車を。」

(通行人たちは、ざわつき。 依子の友が、手配に走った。)

「事故?」

「ひき逃げ・・?」

「・・車が見えなかったわ。」



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