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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-115
「そばにいて・・。」
「・・、愛してるわ・・。 瑠衣・・。」
「もっと、あなたに。 伝えたかった。」
「どんなに、どんなに。 あなたに会えて、嬉しかったか。」
「・・っ、これからもずっと・・。」
「わたしたちの、そばにいて・・。」
「この子たちに、いつか・・。」
「あなたの描いた絵を。 見せるわね。」
(千歳は、冷たい瑠衣の、頬を抱いた。)
(頬ずり、語り掛ける千歳の目に、大粒の涙がこぼれた。
その目に、瑠衣の姿を焼き付けたくて。 千歳は、涙で見えない視界を、
大きく開いた。 そっと、深い紺色の前髪に、触れる。)
(少しくせづく髪が、愛しくて。 冷たく透き通る、
白い頬に。 口づけた。)
「大好きよ。」
(冷たい空気が凛とし。 戻らない時を、
閉じ込める様だ。)
(白い霊安室の中で。
二人は、最後の時を、過ごした。)
***
「・・死んでんじゃないわよ。」
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