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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-119


異界の地に残っておる・・。 それがまた、魔女の消滅を妨げる。】

(ソラは目を開けた。)

「粒樹が、夏樹を“闇”から守った。」

「粒樹は、自らの心臓。 “鍵”に呪いを受け。 “闇”を閉じ込め、

その身体は、“闇”の力を秘めたまま。 “鍵”を夏樹の中に残し。 “時の欠片”となり

砕けた。」

「きっと。 偶然じゃない。」

「粒樹は、夏樹を守るために、地上へ行ったんだ。」

【そうじゃ・・。】

【ソラ。 王子ルイは・・。 この国を捨てるという罪を犯した。】

【それは運命の女性と出逢うためじゃ。 それが、“闇の樹”の未来を生んだのじゃ・・。】

【この、婆には想像できなんだ・・。 占いにあるは、“絶望”と“終焉”】

【その“闇”の中、異界の地で、産まれ出でる“命”があったのならば・・。】

(運命を思い、水色の瞳が揺れた。)

【呪いが消えることはない・・。 “未来”じゃ・・。 ソラ】

【“闇の樹”に“未来”がある限り、魔女は死ぬことが出来ぬ。】

【“闇の王を継ぐ者”が、かの異界の地で生きておる。】

【魔女の呪いは、自らを消滅せんが為に、その者を追うじゃろう。】



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