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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-121


『ソラは・・。』

『それを、知っている。』

(夏樹は、まどろみ、記憶の中で。 ソラの言葉を思い返した。)

『それなのに、別の道を探そうとしてくれる。』

(ソラの言葉が、甦った。)

「お前はそう思ってるのか?

誰かに思われてるかじゃなくて、

お前もそう思うのか?」

(夏樹の心は、揺れた。)

「努力したって、報われねーかもしれねー。

お前が、消えることを望む奴もいる。

お前を恨んでる奴も。」

(ソラは、思いを巡らせる深い紺色の瞳を、真剣に見つめた。)

「けど、それはお前に限ってのことじゃねー。

俺だってそうだぜ。

元老院の奴らには、ほんと、俺は消えてほしいと思われてる。」

「むしろ、正統な王であるお前の復活を。 望んでるんだ。

あ〜、あれだ。 俺の言われようなんて、散々だぜ。 なー。」



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