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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-123


それは、俺も同じだ。

大事なものは、目の前にある。」

(ソラは真っ直ぐに、夏樹を見た。)

「紫苑ちゃん、泣いてた。

もっと。 素直になれ。

FOTのお前の親父みたいに。

頑固になるなよ。」

「少なくとも、俺らや、紫苑ちゃんの前では。

本当のお前を見せても良いだろ。」

(ソラの想いに、応えるべきだった。)

『本当の僕・・。』

『“闇”と“呪い”にまみれた僕を。』

『僕は、受け入れられずにいた。』

『ソラの、皆の想いに。 応えたい・・。』

(夏樹は、記憶の海に溺れながら。 胸が締め付けられる思いがした。)

「ん・・ん。」

(まどろむ夏樹の額から。 タオルを取り、紫苑は。 夏樹のおでこに触った。)

「夏樹くん。 ・・菖蒲さん、わたしタオルをかえて来るね。」



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