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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-124


「はい。 お願いいたします。」

(菖蒲は、微笑み。 白手袋の手で、目を閉じたままの、夏樹の身体を支えた。)

***

「はぁ・・。 はぁっ。」

(誠司は再び。 開け放たれた、広い土地を前に。 立っていた。)

『今なら、瑠衣君の想いと一緒に。 扉が開く気がした。』

トッ・・

「は・・!」

(誠司は、息を飲んだ。 目の前に瞬時に。
白い、礼拝堂の様な建物が、姿を現した。)

「彼らの元へ、通して下さい。」

(誠司が願うと、礼拝堂の扉が、ゆっくりと開いた。)

ギギギギッ・・

「どうぞ。」

(扉の中から、迎え入れる声が聞こえた。)

「・・? これはこれは。」

「私としたことが。」

「主人と共に。 客人を招き入れてしまった様です。」



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