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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】
Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-125
「え?」
(誠司が口を開こうとした時。 何者かの気配を背後に感じ、
振り返った。)
『!』
ゴウッ・・ ガッ
(どこから現れたのか、背の高い男が。 誠司の背後から、扉に手を掛けた。)
「はっ・・。」
(誠司は、驚き。 肩が触れるほど、間近に現れた男に見入った。)
(流れる銀髪が、誠司の頬に触れる。 すり抜け、建物に先に足を踏み入れた
男は。 すれ違いざま、鋭い金色の瞳で、誠司を見た。)
「・・橘。」
「わざと招き入れるとは、人が悪い。」
「僕は、許した覚えは、無いけどね。」
(男は、疲れた様子で、銀髪を乱したまま。 傍の椅子に深く腰を下ろし、
足を投げ出し。 ギラリと光る瞳で誠司を睨んだ。)
「ほっほっ。 お帰りなさいませ、聖様。」
「申し訳ございませぬ。 爺も年ゆえ。
もうろく致しました。」
(聖は、疑わしいという顔で、笑った。)
「くっくっ。」
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