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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-133


(依子は、祝福に飛び上がり、千歳は笑った。)

「瑠衣・・。」

「あなたに似てる・・。

わたしたちを、生かしてくれて、ありがとう。」

(幾年か、穏やかな時が過ぎた。)

『穏やかな時が。』

『このまま続けば。』

『そう思ってた。』

(依子の家に、異変が起こったのは、程なくしてからだった。)

『二人に、物心がつきはじめたころ・・。』

『何者かが、やって来た。』

ガタンッ

バタタタッ・・!

「千歳・・! 起きて。」

「子供たちを連れて、裏口へ。」

(真夜中の事だった。 家屋の中へ、侵入してくる足音が聞こえる。)

「きゃっ・・。」

(依子は、千歳を引き起こした。 小声で、指示を出すと。 身を低くし、押し出す。)



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