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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-143


「やだ。」

(夏樹は諦めない様子で。 千波も、母の袖を引いた。)

「ママ〜・・。」

(二人の顔を見つめ、夏樹の腕の中の子犬を見つめた。)

(小さな柴犬は、耳が垂れ。 目の上と足先。 お腹が茶色で、
黒い毛の子犬だった。)

『そんな目で見ないで・・;;』

(夜には、子犬は。 家族の一員になっていた。)

「きゅ〜ん」

(子犬用ミルクを美味しそうに飲む様子に、夏樹の目は輝いた。)

「名前はどうする? 夏樹。」

(千歳は、嬉しそうに夏樹を見た。)

「・・ぽんた。」

(千歳は瞬いた。)

「・・ネーミングセンスがいまいちね。」

(楽しい時間だった。 三人と一匹は、僅かながら、
楽しい時を過ごした。)

『誕生日を一緒に過ごしたわね。』

(それはまた、別の記憶だった。)



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