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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-146


(千歳は、嬉しさと戸惑いの混じる顔で、微笑んだ。)

「また、来てくれたの?」

「・・気を付けて。」

「わたしたちに関わって、何かあったら・・!」

『依子は、代わりに追われる身となった。 わたしたちは、離れ離れになってしまった。』

(誠司は、庭先で遊ぶ夏樹を見た。)

「夏樹くんに変化は?」

(千歳は微笑んだ。)

「今のところは。 わたしの思い過ごしかもしれないわ。」

「瑠衣に似てるから。 不思議な力があるような気がするの。」

「もしこのまま、夏樹に何も起こらなければ。」

「国の人たちは、諦めてくれる?」

(誠司は、難しい顔で。 首を傾げた。)

「分かりません。」

「そうであればと、願います。」

(千歳は、複雑な想いで、頷いた。)

「うん。 でもね。」

「いけないって。 わかっているけれど、願ってしまうの。」



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