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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-148


「良かったね、夏樹くん。」

「ぽんたくん、可愛いね。」

(誠司は、戸惑う夏樹を抱き寄せ。 大きな手で、深い紺色の髪を撫でた。)

「・・うん。」

(夏樹は、嬉しそうに頷いた。)

『優しい大きな手は、触れたことのない。 父の温もりに似ていた。』

(千歳は、嬉しそうに、その様子を見つめ。)

(夢見るように、願った。)

「誠司さん。」

「もう一つ、夢があるの。」

「この子たちがいつか大きくなって、好きな人ができて、恋をして・・。」

「結婚して。 可愛い孫を抱くのよ。」

「大きな家族になるの。」

(千歳の瞳は、夢見ながら、潤んだ。)

「傍で、見ていたい。」

「離れたくない。」

(誠司の腕の中にいる子供たちを、愛しそうに見た。)

『母は、僕の力が目覚めれば。』



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