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Novel 【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 空と夏樹の物語】

Chapter101 『8月1日(懐古)』 101-151


(洗濯物が、落ち。 家を守っていた、透明な壁が、
剥がれ落ちる音が響く。)

「きゃぁっ!」

(千歳は、千波の上に覆いかぶさり、衝撃を避けた。)

「・・夏樹・・っ!」

(千歳は必死に、目を開けた。)

「千歳さん!」

(誠司は、振動の中、千歳の元に走り。 千歳と千波を抱えた。)

「いやっ!」

「夏樹を連れていかないで!!」

「お願い!!」

(誠司は、剥がれ落ちる結界から、守り。 後を追おうとする
千歳を抑えた。)

「わたしの、夏樹を!」

「連れていかないで!!」

(砕け落ちるガラスの破片のように。)

(散る結界の中、誠司の支える向こうへ。
千歳は、必死で手を伸ばした。)

『父と出会わなければ、母は、平穏に暮らして行けた。』



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